電子申請で届出を済ませる
本記事は、シリーズ最終回。準備した様式第3号を実際にオンライン届出する手順と、届出後の社内記録までを扱います。2025年1月から原則義務化された電子申請の流れを、入力支援サービス・e-Govの実画面つきで解説します。選任した産業医をどう活用するか(選任後の運用)は、別記事で詳しく扱う予定です。
この記事で分かること
- ✓2025年1月から電子申請が原則義務化。入力支援サービス+e-Gov+GビズIDで完結
- ✓産業医に相談できる5場面:健診後・長時間労働・メンタル・休復職・衛生委員会
- ✓届出・報告関係は事業場ごとにチェックリストで最終点検
このステップの位置づけ
本記事は、第1回の全体図のうち、ステップ4「届出と届出後」を扱います。様式第3号と添付書類を準備したあと、所轄労働基準監督署へ届出を行い、社内記録を残すまでです。
シリーズ全体の流れとよくある質問は「産業医選任 完全ガイド」にまとめています。
1. オンライン届出(電子申請)の進め方
2025年1月1日から、産業医選任報告を含む一部の労働安全衛生関係手続きは、電子申請が原則義務化されています。厚生労働省の「労働安全衛生法関係の届出・申請等帳票印刷に係る入力支援サービス」を使うと、帳票作成からe-Govを介した電子申請までを一つの画面で行えます。
電子申請の流れ
入力支援サービスでの電子申請ステップ
- 1入力支援サービスにアクセス
- 2「電子申請を利用する方はこちら」を選択
- 3帳票一覧から「総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医選任報告」を選択
- 4事業場情報・産業医情報を入力(ステップ3で整理した内容)
- 5医師免許証写し・産業医資格証明書をアップロード
- 6e-Gov経由で所轄労働基準監督署へ電子申請
実際の画面で確認する
以下は、入力支援サービスの実際の画面です(2026年6月時点。画面は変更される場合があります)。
電子申請に必要な準備
電子申請には、e-Govの利用環境(GビズID、または電子証明書)が必要です。社内でこれらの環境が整っていない場合は、紙の様式を窓口に持参する従来の方法も選択できますが、2025年1月以降は電子申請が原則となるため、早めの環境整備が推奨されます。GビズIDの取得は、デジタル庁のGビズIDサイトから無料で申請できます。
2. 届出後 — 受理確認と社内記録
電子申請後、e-Govの申請履歴で受理状況を確認できます。受理されたら、社内で次の記録を残しておきます。
届出後に残す社内記録
- ・届出年月日と労働基準監督署からの受理通知
- ・産業医契約書、報酬支払関連書類
- ・医師免許証写し、産業医資格証明書(添付書類の控え)
- ・事業場ごとの届出記録(複数事業場で選任した場合)
3. 届出・報告関係チェックリスト
届出まわりで漏れがないか、最後に点検します。事業場ごとに条件が異なるため、事業場ごとにチェックリストを使うことを推奨します。なお、選任後の運用(健診・面談・衛生委員会での産業医の活用)と体制・運用面のチェックリストは、別記事で詳しく扱います。
届出・報告関係
- □産業医選任報告(様式第3号)を提出した
- □医師免許証の写し、産業医資格を証する書面を添付した
- □所轄労働基準監督署を確認した
- □オンライン届出(電子申請)の利用可否を確認した
- □衛生管理者の選任報告を提出した
- □定期健康診断結果報告を提出した
シリーズを終えて
本シリーズ「はじめての産業医選任ガイド」全4回は、初めて産業医選任を担当する人事・総務担当者向けに、選任を考え始めるところから届出の完了までを4つのステップに整理してきました。選任後の運用(産業医の活用方法)は、別記事で扱う予定です。実際の選任・運用にあたっては、必ず最新の厚生労働省・労働局の情報、所轄労働基準監督署の案内をご確認ください。
本記事のご利用上の注意
本記事は、厚生労働省・労働局等の公表情報をもとに、人事・総務担当者向けに実務上の確認ポイントを整理したものです。実際の届出要否、記載方法、対象労働者の範囲は、事業場の所在地、規模、業種、作業内容等により異なる場合があります。実務対応にあたっては、最新資料と所轄労働基準監督署の案内をご確認ください。