PUBLIC HEALTH INFORMATION / 公共情報

日本の夏の暑さは、
命にかかわります。

日本の夏は気温だけでなく湿度の高さが特徴で、屋外作業者・高齢者・暑さに慣れていない方には特に厳しい環境です。 このページは、職場・地域での熱中症対策を進めるために必要な、症状・応急処置・救急要請・多言語医療リソースの情報を、公的機関の一次情報に基づいて整理しました。

最終確認:2026年6月1日/ 監修:WELD Consulting Group 産業医チーム

01

気温だけでなく「湿度」が体を追い込みます。

日本の夏は、気温の高さに加えて湿度が70〜80%に達する日が続きます。湿度が高いと汗が蒸発しにくく、体の熱が外に逃げません。 その結果、体温が下がらず熱がこもり、熱中症が起きやすくなります。気象庁の予報でも、2026年の夏は全国的に平年より高い気温が見込まれています[1]

日本の夏の典型的な条件(東京の例)

最高気温
30〜35℃
8月の平日連続
湿度
70〜80%
汗が蒸発しにくい
夜間最低気温
25℃超
熱帯夜・体が休まらない

テレビ・スマートフォンで「熱中症警戒アラート」が発表される日は、外出や激しい運動を控えてください。アラートは環境省・気象庁が共同で発信しています[2]

救急搬送は7月にピーク(2025年 / 全国)

2025年(令和7年)の熱中症による救急搬送人員は合計100,510人で、調査開始(平成20年)以降最多となりました。月別では7月に約4万人、次いで8月の3.1万人。6月から急増します[6]

5月
2,614人
6月
17,229人
7月
39,375人
8月
31,526人
9月
9,766人

出典:総務省消防庁「令和7年(5月〜9月)の熱中症による救急搬送状況」[6]。 高齢者が約57%、発生場所は住居(38%)が最多、次いで道路(20%)。

02

気になる症状をチェック。

日本救急医学会「熱中症診療ガイドライン2024」の3段階分類に沿って整理しました[3]。 自分・家族・同僚に当てはまる項目をチェックすると、対応の目安がわかります。

I度(軽症)

現場で休めば多くは回復

→ 涼しい場所で休み、水分・塩分を補給。改善しなければII度を疑う。

II度(中等症)

医療機関の受診が必要

→ 自力で水が飲めない/改善しないなら受診。点滴等が必要なことが多い。

III度(重症)

迷わず119番。生命に関わります

→ 1つでも当てはまれば救急要請。冷却を続けながら待つ。

※ チェックは目安です。気になる症状があれば早めに医療機関へ。判断に迷う場合は救急安心センター事業(#7119)に電話相談できます(実施地域のみ)。

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03

特に注意したい4タイプ。

暑熱順化(体が暑さに慣れる過程)が進んでいない方、屋外で長時間活動する方、体温調節が弱い方は特にリスクが高くなります[4]

屋外労働者(建設・配送・農作業)

直射日光と身体活動の負荷が重なる。労働安全衛生規則の改正(2025年6月施行)により、事業者には体調確認体制と冷却設備の整備が義務化されています。

今期、屋外作業を開始する人

在宅勤務中心から通勤・出社へ戻る方、新入社員、配置転換で屋外業務を開始する方は、体がまだ暑さに慣れていません。最初の1〜2週間は作業時間を短く、休憩・水分を多めに。

高齢者(満65歳以上)

のどの渇きを感じにくく、体温調節も弱まる。室内でも熱中症になります。エアコン使用と定時の水分補給を。救急搬送の約57%が65歳以上で、住居内での発生が最多(38%)。

持病のある方・服薬中の方

心疾患・糖尿病・腎疾患・精神疾患の方は、発汗や体温調節に影響が出る薬剤の服用があり、リスクが高まります。

KEY CONCEPT / 知っておきたい概念

「暑熱順化(しょねつじゅんか)」— 体は7〜14日かけて夏に慣れる

人の体は、暑さに少しずつ「慣れる」ことができます。これを 暑熱順化 と呼びます。体が暑さに慣れると、発汗量が増えて体温調節が効きやすくなり、同じ気温でも熱中症リスクが大きく下がります。 ただし、慣れるまでには1〜2週間(7〜14日)必要です[4]

特に危ない日
  • ・梅雨明けの最初の猛暑日
  • ・前日まで涼しく、急に気温が上がった日
  • ・連休明けで運動・労働を再開した日
  • ・新入社員・新人作業者の屋外作業初日
順化を促す工夫
  • ・短時間の屋外活動から始めて徐々に伸ばす
  • ・湯船にゆっくり浸かる(やや汗をかく程度)
  • ・軽い有酸素運動を週数回
  • ・水分と塩分を意識的に補給

⚠ 1日中、屋外で作業する場合は要注意。 建設・配送・農作業・警備・スポーツ大会・野外イベント運営など、長時間の屋外活動は、体が順化していても限界があります。 WBGTが高い日(特に33以上の警戒アラート発表日)は、作業時間・休憩・水分補給の計画が必須です。

04

5つのステップ。判断より行動を優先。

熱中症は放置すると死に直結する緊急事態です。重症の場合は救急車を呼ぶと同時に、現場ですぐ体を冷やし始めます[4]

  1. 1
    涼しい場所へ移すエアコンの効いた室内、または風通しの良い日陰へ。直射日光から離す。
  2. 2
    衣服をゆるめ、体を冷やすベルトやネクタイをほどき、首の周り・脇の下・足の付け根に氷や保冷剤を当てる。皮膚の下を流れる太い血管を冷やす。
  3. 3
    水分・塩分を補給本人が意識清明で自分で飲める場合のみ。経口補水液やスポーツドリンクが望ましい。意識が低下している人に無理に飲ませない。
  4. 4
    受診の判断自分で水分が飲めない/改善が見られない/意識がおかしい場合は、迷わず119番。
  5. 5
    救急車が来るまで冷却を続ける救急隊員が到着するまで、体を冷やし続けることが救命率を高めます。
05

迷ったら119。多言語で対応します。

119

日本のどこからでも、無料で電話できます。

英語・中国語・韓国語など15言語に対応する「三者間同時通訳」が24時間365日利用できます[5]。日本語が話せない場合は、「English, please」と伝えると通訳が入ります。

119で伝えること(テンプレ)

注:日本の救急車は無料です。費用はかかりません。費用を心配して119を躊躇しないでください。

06

外国人スタッフの体調不良時に使える窓口。

日本語が母語でない労働者・家族の体調不良時、または事業者が医療機関への同行・連絡支援を行う際に、定期的に情報が更新される公的なホットラインを利用できます。

AMDA国際医療情報センター

多言語の医療相談・医療通訳

英語・中国語・韓国語・タイ語・スペイン語・ポルトガル語などで、日本の医療制度や医療機関を案内。

03-6233-9266
平日 10:00–15:00 / フリーダイヤル 0120-339-266
→ AMDA公式サイト
JNTO Japan Visitor Hotline

24時間365日の多言語ホットライン

病気・けがの時、または日本国内のあらゆる緊急時に英語等で対応可能な公的ホットライン。在留外国人スタッフの夜間・休日対応にも利用できます。

050-3816-2787
24時間365日 / 英語・中国語・韓国語・日本語
→ Emergency Guide
東京都保健医療局

ひまわり(外国語対応医療機関案内)

東京都内の医療機関を、対応言語・診療科・地域で検索できる公式サービス。

03-5285-8181
毎日 9:00–20:00 / 英・中・韓・タイ・スペイン
→ Tokyo Himawari

注:上記は2026年6月時点の情報です。最新の対応時間・電話番号は各機関の公式サイトでご確認ください。

医療リソースを家族・同僚に共有

企業における熱中症対策の検討は WELDへ

労働安全衛生規則の改正(2025年6月施行)により、事業者には熱中症対策の体制整備が求められています。WELD Consulting Group は産業医・産業保健チームによる職場の熱中症対策設計を支援しています。

熱中症対策の相談はこちら →

REFERENCES / 一次情報出典

  1. 気象庁「季節予報(暖候期・6〜8月)」https://www.jma.go.jp/bosai/season/
  2. 環境省「熱中症予防情報サイト・暑さ指数(WBGT)」https://www.wbgt.env.go.jp/
  3. 日本救急医学会「熱中症診療ガイドライン 2024」PDF
  4. 環境省「熱中症環境保健マニュアル 2018」PDF
  5. 総務省消防庁「119番通報の多言語対応・三者間同時通訳」公式
  6. 総務省消防庁「令和7年(5月〜9月)の熱中症による救急搬送状況」PDF

本ページは医療行為や医学的助言の代替ではありません。緊急時は119へ。症状や治療の判断は医師の指示に従ってください。 情報は2026年6月1日時点のもので、最新の状況は各公式サイトをご確認ください。

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