様式第3号の書き方— 記入欄を①〜⑭で確認する
本記事は、産業医を決めたあとの「届出準備」のステップを扱います。様式第3号の記入欄を、①〜⑭の番号順に丁寧に解説します。法人全体ではなく「事業場単位」で書くこと、医師免許証写しなどの添付書類、入力支援サービスの使い方を整理します。
この記事で分かること
- ✓様式第3号は4つの管理者・産業医の共通様式。記入欄は多いが必要箇所は約14
- ✓①労働保険番号〜⑭事業者職氏名まで、番号で迷わず記入できる
- ✓添付書類は医師免許証写しと産業医資格を証する書面の2点
このステップの位置づけ
本記事は、第1回の全体図のうち、ステップ3「届出準備」を扱います。産業医を決めたあと、様式第3号を作成し、添付書類を揃えるまでの段階です。
シリーズ全体の流れとよくある質問は「産業医選任 完全ガイド」にまとめています。
1. 様式第3号 — 何を記入するか
産業医選任報告で使う様式は、正式には「総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医選任報告」(様式第3号)です。産業医専用の単独様式ではないため、初めて見ると記入欄が多く感じられるかもしれません。
2. 記入欄を番号で確認する
下表は、産業医選任報告で記入する欄を、様式上の位置に対応する番号順に整理したものです。番号は本記事独自の通し番号であり、様式そのものには印字されていません。厚労省「様式第3号PDF」と照らし合わせながら確認してください。
産業医選任時に記入する主な欄
労働保険番号
事業場の労働保険番号(14桁)を左詰めで記入します。内訳は 都道府県(2桁)・所掌(1桁)・管轄(2桁)・基幹番号(6桁)・枝番号(3桁)。被一括事業場の場合は末尾に被一括番号も入ります。
確認方法:労働保険概算・確定保険料申告書の控え、労働保険関係成立届の控え、または年度更新時の通知書に記載されています。事業場ごとに異なる場合があるため、本社一括ではなく対象事業場の番号を確認してください。不明な場合は所轄の労働基準監督署に問い合わせます。
事業場の名称
法人名ではなく、対象となる事業場の名称(例:「○○株式会社 本社」「○○株式会社 △△工場」)を記入。事業場ごとに別の様式で届け出ます。
事業の種類
事業場の主たる事業の種類を記入(例:「金融業」「卸売業」「製造業」など)。
事業場の所在地(郵便番号・住所)
実際に労働者が勤務している事業場の所在地。提出先も原則として、その事業場を管轄する労働基準監督署です。
電話番号
事業場の代表電話番号を、市外局番から左詰めで記入。
労働者数
会社全体の人数ではなく、その事業場で「常時使用する労働者数」を右詰めで記入。さらに、産業医の場合は労働安全衛生規則第13条第1項第3号に掲げる業務(深夜業や有害業務等)に従事する労働者数も併記する欄があります。
フリガナ・被選任者氏名
選任する産業医の氏名。姓と名の間は1文字空けて記入します。
選任年月日
産業医として選任した年月日(元号区分:7=平成、9=令和)。「事業場が50人に到達した日」と「実際に選任した日」を混同しないように注意します。
生年月日
選任する産業医の生年月日(元号区分:1=明治、3=大正、5=昭和、7=平成、9=令和)。
選任種別
産業医選任報告では「5.産業医」を選択します。同じ様式で安全管理者・衛生管理者を選任する場合は別の番号を選びます。
専属の別・専任の別
「専属」とは当該事業場のみに勤務する産業医、「非専属」とは他の事業場にも勤務する産業医。常時1,000人以上、または有害業務500人以上の事業場では専属産業医が必要です(労働安全衛生規則第13条第1項第3号)。他の事業場に勤務している場合は、その勤務先を記入する欄があります。
産業医の場合は医籍番号等
産業医の医籍番号を、種別コードと番号で記入。医籍番号は医師免許証に記載されています。
担当すべき職務・経歴の概要欄
産業医選任時は記入不要(安全管理者・衛生管理者選任時に使用する欄)。
参考事項
様式裏面の記入要領では、産業医選任報告の場合、「専門科名(例:内科、精神科など)および開業している場合はその旨」を記入することが示されています。
年月日・事業者職氏名・労働基準監督署長殿
届出年月日、事業者の役職と氏名、提出先の労働基準監督署長を記入します。
「前任者氏名」「辞任、解任等の年月日」欄について
初めての選任ではこれらの欄は記入不要です。既存の産業医を交代する場合に、前任者の氏名・辞任日を記入します。
3. 添付書類を準備する
産業医選任報告に添付する書類
- ・医師免許証の写し
- ・産業医資格を証する書面(産業医研修修了証書写し、労働衛生コンサルタント登録証写しなど)
これらは、ステップ2 で選任を決定する際に、産業医本人から取り寄せておきます。電子申請の場合は、PDFや画像ファイルとしてアップロードできるようにしておきます。
4. 入力支援サービスの利用方法を確認する
厚生労働省の「労働安全衛生法関係の届出・申請等帳票印刷に係る入力支援サービス」を使うと、様式第3号をオンラインで作成・印刷でき、e-Govを介した電子申請まで完結できます。ステップ3 の段階で、社内の電子申請環境(GビズID等)の有無を確認し、利用方法を決めておきます。実際の電子申請は次回(ステップ4)で扱います。
次回(ステップ4)
次回は、ステップ4「届出と届出後」を扱います。入力支援サービスからの電子申請の流れ、所轄労基署への届出、そして届出後の社内記録・届出関係チェックリストまで整理します。
本記事のご利用上の注意
本記事は、厚生労働省・労働局等の公表情報をもとに、人事・総務担当者向けに実務上の確認ポイントを整理したものです。実際の届出要否、記載方法、対象労働者の範囲は、事業場の所在地、規模、業種、作業内容等により異なる場合があります。実務対応にあたっては、最新資料と所轄労働基準監督署の案内をご確認ください。
参照元
- 厚生労働省「総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医選任報告」 — 様式入手
- 厚生労働省「様式第3号 PDF」 — 表面・裏面、記入要領、添付書類、産業医資格コード表
- e-Gov 法令検索「労働安全衛生規則」 — 第13条(産業医の選任)、第14条(産業医の職務・資格要件)
- 厚生労働省「入力支援サービス」