e-Govで衛生管理者選任報告を提出する — 受理確認まで

様式第3号の準備ができたら、最後は提出だ。労働関係の届出は電子申請が原則となっており、衛生管理者の選任報告も、e-Govを使ってオンラインで提出できる。窓口へ行く必要がなく、控えもデータで残る。本ステップでは、電子申請の進め方、提出後の受理確認と社内記録、そして選任から記録までを一覧にしたチェックリストで、シリーズを締めくくる。

この記事で分かること

  • 選任報告は、e-Govの電子申請でオンライン提出できる。窓口・郵送も選べる
  • 提出して終わりではない。受理を確認し、控えを社内に記録する
  • 選任から記録までを、チェックリストで取りこぼしなく確認する

このステップの位置づけ

第3回で作成した様式第3号を、正式に所轄の労働基準監督署へ届け出る工程だ。提出方法は、e-Govによる電子申請、窓口持参、郵送のいずれも可能だが、現在は電子申請が原則とされている。ここではオンライン提出を中心に進め方を確認する。

「衛生管理者 選任ガイド」全4回の現在地です。

オンライン届出(電子申請)の進め方

電子申請の入口はe-Gov(電子政府の総合窓口)だ。利用にあたっては、事前にGビズIDなどのアカウントを用意しておくと、申請がスムーズになる。大まかな流れは、e-Govで「労働安全衛生法に基づく選任報告」の手続を選び、第3回で扱った入力支援サービスで作成したデータを取り込むか、画面で必要事項を入力し、添付書類(免許証の写し等)を付けて送信する、というものだ。

はじめての場合は、入力支援サービスで様式を作成→そのデータをe-Govの申請につなげる流れが分かりやすい。手書きの転記ミスが減り、提出先(所轄署)の選択も画面の案内に沿って進められる。具体的な画面操作はe-Govの案内が随時更新されるため、申請の直前に最新の手順を確認するとよい。

実際の画面で確認する

以下は、入力支援サービスの実際の画面です(2026年6月時点。画面は変更される場合があります)。様式第3号は産業医と共通のため、衛生管理者の選任報告でも同じ画面で進みます。

入力支援サービスのトップページ。「帳票作成メニューへ(電子申請を利用する方はこちら)」のボタンがある
図1(手順1・2) トップページ。右側の「帳票作成メニューへ(電子申請を利用する方はこちら)」を選びます。紙で窓口提出する場合は左側を選びます。出典:厚生労働省「入力支援サービス」
e-Govアカウントログイン画面。メールアドレス・パスワードのほかGビズIDでのログインが選べる
図2 電子申請を選ぶと、まずe-Govアカウントのログイン画面が表示されます。GビズIDでのログインも選べます(アカウント未取得の場合はここで登録が必要です)。出典:e-Gov(デジタル庁)
帳票作成メニュー。作成する申請書の一覧から選択する
図3(手順3) 帳票作成メニュー。一覧から「総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医選任報告」を選びます。衛生管理者もこの共通様式で報告します。出典:厚生労働省「入力支援サービス」
選任報告の入力画面。左に様式第3号のプレビュー、右に入力欄が並ぶ
図4(手順4) 入力画面。左に様式第3号のプレビュー、右に入力欄が表示されます。60分で通信が切断されるため、画面下部の「帳票入力データを保存する」でこまめに一時保存してください。出典:厚生労働省「入力支援サービス」
選任種別の選択欄。図は産業医を選んだ状態
図5(手順4) 「①選任種別の選択」の欄です。図は産業医を選んだ例で、衛生管理者の選任報告では同じ欄で「衛生管理者」を選びます。各欄の記入は第3回(様式第3号の書き方)を参照してください。出典:厚生労働省「入力支援サービス」
提出は手段にすぎない。大事なのは「届いて、受理され、社内に残る」ところまで。

届出後 —— 受理確認と社内記録

送信したら完了、ではない。電子申請では、申請後に到達・受理の状態を確認できる。受理されたことを確認し、申請内容の控えと受理の記録を保存しておく。紙で提出した場合は、提出した報告書の写しを保管する。

あわせて、社内でも記録を残す。誰を、いつ選任し、いつ報告したかを、安全衛生の管理記録として残しておくと、後任者への引き継ぎや、次回の選任・変更の際に役立つ。選任した衛生管理者の氏名は、職場の見やすい場所への掲示などで周知しておくと、現場が「困ったときに誰に相談すればよいか」を把握できる。

届出・報告関係チェックリスト

選任から記録までの確認リスト

  • 常時50人以上(事業場単位)で選任義務を確認した
  • 業種から第一種・第二種の別を判断した
  • 規模に応じた人数・専属・専任の要件を満たした
  • 事由発生から14日以内に選任した
  • 様式第3号を作成し、免許証の写し等を準備した
  • e-Gov等で所轄労働基準監督署長へ報告した
  • 受理を確認し、控え・社内記録を保存した
  • 選任した衛生管理者の氏名を周知した

試験ではこう問われる

  • 届出は電子申請が原則化(実務寄りの知識)
  • 選任の骨格を一連の流れで説明できるように:常時50人以上・業種不問 → 14日以内に選任 → 遅滞なく様式第3号で所轄労働基準監督署長へ報告

シリーズを終えて

4回をかけて、選任義務の判断から、資格者の選定、報告書の作成、電子申請までをたどってきた。選任は、衛生管理の入口にすぎない。ここから先は、衛生委員会の運営、毎週1回の職場巡視、健康診断の事後措置といった実務が始まる。衛生管理者が日々何をする役割なのかは、コラム「衛生管理者って、結局なにをする人なのか。」で整理している。新任の実務については、別途あらためて取り上げたい。選任を終えた担当者の、次の一歩の助けになれば幸いだ。

本記事のご利用にあたって

本記事は、労働安全衛生法および厚生労働省・労働局等の公表情報をもとに、実務担当者向けに要点を整理した一般的な解説です。選任義務の有無・人数・記載方法・対象範囲は、事業場の規模・業種・作業内容等により異なります。実際の手続にあたっては、最新の法令と所轄の労働基準監督署・産業保健の専門家にご確認ください。最終的な要否・正誤の確認は、ご自身(各自)で行ってください。

参照元

  • e-Gov電子申請:https://shinsei.e-gov.go.jp/ / GビズID:https://gbiz-id.go.jp/
  • 労働安全衛生規則 第7条第2項・第2条第2項(選任報告)、様式第3号/e-Gov法令検索:https://laws.e-gov.go.jp/
  • 厚生労働省「労働安全衛生法関係の届出・申請等帳票印刷に係る入力支援サービス」、各労働局の電子申請案内
  • 本記事は2026年6月時点の運用に基づく。電子申請の画面・手順は変更され得るため、申請の直前にe-Govおよび所轄労働基準監督署の最新案内を確認されたい。